FXのチャート分析や自動売買に欠かせないメタトレーダー。現在はMT4とMT5の2つのバージョンが併存していますが、「どちらを使えばいいのか分からない」という声は非常に多く聞かれます。
結論を先に述べると、今からFXを始める方はMT5がおすすめです。EA(自動売買プログラム)の蓄積という点ではMT4に分がある場面も残っていますが、MT4は開発元であるMetaQuotes社のシステム保守の対象外となっており、国内でも提供を終了する会社が出てきています。これから環境を整えるのであれば、MT5を前提に考えるほうが安全です。MT4の基本操作についてはMT4の使い方を初心者向けに解説!基本操作とチャート設定の手順で詳しく解説しています。
この記事では、MT5とMT4のスペックの違いを一つずつ丁寧に比較し、それぞれどんな方に向いているのか、どちらを選んでも共通してつまずく点は何かまでを整理していきます。
MT5とMT4の基本スペック比較
| 項目 | MT4 | MT5 |
|---|---|---|
| リリース年 | 2005年 | 2010年 |
| 時間足の数 | 9種類 | 21種類 |
| テクニカル指標 | 30種類 | 38種類 |
| 描画ツール | 31種類 | 44種類 |
| プログラミング言語 | MQL4 | MQL5 |
| バックテスト | シングルスレッド | マルチスレッド |
| 注文方式 | 4種類 | 6種類 |
| 経済カレンダー | なし | 内蔵 |
| 板情報(DOM) | なし | あり |

MT5がMT4より優れている点
1. 時間足が21種類と豊富
MT4の9種類(M1、M5、M15、M30、H1、H4、D1、W1、MN)に加えて、MT5では2分足、3分足、4分足、6分足、10分足、12分足、20分足、2時間足、3時間足、6時間足、8時間足、12時間足が利用可能です。
特に2時間足や8時間足はマルチタイムフレーム分析で重宝します。8時間足をスイングトレードの中間足として使うことで、エントリーの精度向上が期待できます。
2. バックテストが高速
MT5はマルチスレッド対応のため、バックテストの速度がMT4と比べて大幅に速くなっています。複数の最適化パラメータを同時にテストできるのも大きなメリットで、EAの開発・検証にかかる時間が大幅に短縮されます。EA選びのコツについてはFX無料EAのおすすめと選び方!詐欺を見抜くポイントもも参考にしてください。
3. 経済カレンダーが内蔵
MT5にはプラットフォーム内に経済カレンダーが組み込まれています。別のサイトを開かなくても重要指標の発表日時と予想値を確認できるのは、日常のトレードにおいて便利な機能です。
4. 処理速度が全体的に速い
MT5は64bit対応で、MT4(32bit)より動作が軽快です。特に複数のチャートウィンドウを同時に開いているときの安定性に差が出ます。
5. 株式やCFDにも対応
MT5はFXだけでなく、株式やCFD、先物なども1つのプラットフォームで取引できる設計になっています。FX以外の金融商品にも興味がある方にはMT5が便利です。

MT4がまだ現役で使われる理由
理由1:EAの資産が非常に多い
MT4は約20年の歴史があり、開発されたEAやカスタムインジケーターの数が非常に多いのが現実です。市販のEAもMT4対応がまだ多数を占めています。MT5用のEAは増加傾向にありますが、まだMT4の蓄積には及びません。
理由2:MQL4からMQL5への移行コスト
MQL4とMQL5はプログラミング言語の文法が異なるため、MT4のEAをそのままMT5で動かすことはできません。コードの書き直しが必要で、これが移行の最大の障壁になっています。
複数のEAをMT4で運用している場合、すべてをMQL5に書き直すのは相当な労力がかかります。そのためMT4を手放せないというトレーダーは少なくありません。
理由3:対応しているFX会社がまだ残っている
国内でMT4を提供している会社は現在も存在しますが、この状況は急速に変わりつつあります。新規のブローカー向けにMT4のライセンスが提供されなくなっており、既存の提供会社も順次MT5へ切り替える流れになっているためです。実際に、JFXは2026年8月19日でMT4の提供を終了し、代わりにMT5の提供を開始しています。OANDA証券も、2026年9月25日の取引終了後に新規注文を停止し、2026年11月27日の取引終了をもってMT4の提供を終了すると告知しています。「今はまだ使える」ことと「これから長く使える」ことは別問題だと考えて、口座を選ぶ際は各社の告知を確認してください。
MT4のEAをMT5にそのまま移植することはできません。MQL4とMQL5は別の言語と考えてください。移行する場合はコードの書き直しが必要になるため、その労力も考慮して判断しましょう。
結局どちらを選ぶべきか
MT5がおすすめな方
- これからFXを始める初心者(新しい方がスペック的に上)
- 裁量トレードがメインの方
- マルチタイムフレーム分析を重視する方
- FX以外の金融商品にも興味がある方
- EAの開発・バックテストを高速に行いたい方
MT4がおすすめな方
- すでにMT4用のEAを持っている・使っている方
- 市販のEAをたくさん試したい方
- MQL4のプログラミングに慣れている方
- 使いたいFX会社がMT4にしか対応していない場合
新規で始める方はMT5一択です。すでにMT4でEAを運用している方も、今のうちからMT5環境の準備を進めておくことをおすすめします。MT4は開発元の保守対象から外れており、利用中のFX会社が提供終了を発表する可能性があるためです。稼働中のEAを止める必要はありませんが、「終了の案内が来てから考える」のではなく、移行先の候補だけでも先に調べておくと慌てずに済みます。
バックテストの結果をどう読むか
MT5のバックテストが速いことは確かなメリットですが、速く回せることと結果が信用できることは別の話です。読むときの注意点を挙げます。
検証期間に、荒れた相場が含まれているか
穏やかな期間だけを検証しても、実際に資金が削られる場面は見えてきません。急変動があった時期を含めて回すと、そのロジックの弱点が表に出ます。
過去に合わせ込みすぎていないか
パラメータを細かく調整すれば、過去のデータに対する成績はいくらでも良くできます。しかし、それは過去の値動きに形を合わせただけで、これからも同じように機能する保証にはなりません。検証結果が良すぎるときほど、条件を変えて再確認するのが安全です。
スプレッドの前提が現実的か
バックテストで設定するスプレッドが実際の取引条件より狭いと、成績は実態より良く見えます。指標発表時などスプレッドが広がる場面は、検証には反映されにくい点も押さえておきましょう。
ヒストリカルデータの質
検証に使う過去データの精度によって、結果は変わります。同じEAでも、使うデータが違えば別の結果が出ることがあります。バックテストは「絶対的な答え」ではなく「一つの条件下での試算」だと捉えてください。
時間足が増えると何が変わるのか
MT5で時間足が21種類に増えたことは、単に選択肢が増えたという話ではありません。使い方の例を挙げます。
| 使い方 | MT4での代替 | MT5でできること |
|---|---|---|
| 日足と4時間足の間を見たい | 間の足がない | 6時間足・8時間足で中間を補える |
| 1分足では細かすぎる短期分析 | 5分足まで飛ぶ | 2分足・3分足で刻める |
| 1時間足と4時間足の間 | 間の足がない | 2時間足・3時間足が使える |
ただし、時間足を増やせば判断しやすくなるわけではありません。見る足を増やすほど、足ごとに違うことを示したときに動けなくなります。基本は「長い足で方向、短い足でタイミング」の2〜3枚に絞るのが実用的です。
MT4からMT5への移行のポイント
MT4からMT5に乗り換える場合の注意点は以下の通りです。
- EAの互換性がない:MT4のEAはMT5では動かない。MQL5で書き直す必要がある
- カスタムインジケーターも互換性なし:こちらも移植が必要
- 操作感は似ているが微妙に違う:メニューの場所や設定項目が若干異なる
- テンプレートは引き継げない:チャート設定は再設定が必要
MT4とMT5を両方使い分けるのも一つの方法です。EAの運用はMT4、裁量トレードと新しいEAの開発はMT5、という使い分けをしているトレーダーも多くいます。ただしこの使い分けができるのは、MT4を提供している会社の口座を持っている間だけです。提供終了が告知されれば、その口座でのEA稼働は続けられなくなります。MT4側で動かしているEAについても、MQL5への書き直しをどう進めるかを並行して考えておきましょう。

メタトレーダーに対応している国内FX会社
国内でメタトレーダーを提供している会社は限られています。代表的なところを挙げます。
| FX会社 | 提供しているメタトレーダー |
|---|---|
| OANDA証券 | MT5。MT4は2026年11月27日の取引終了で提供終了予定(同年9月25日の取引終了後に新規注文停止) |
| 楽天証券(楽天MT4) | MT4のみ。MT5には対応していません |
| FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン) | MT4。MT5はリリースが延期されており、提供時期は同社の告知をご確認ください |
| JFX | MT5。MT4は2026年8月19日で提供を終了しました |
対応状況は変更されることがあるため、口座を開く前に各社の公式サイトで最新の提供状況を必ずご確認ください。使いたいバージョンに対応していない会社を選んでしまうと、後から口座を開き直すことになります。特にMT4については提供終了の告知が相次いでいるため、「MT4対応」と紹介している記事の情報が古くなっている可能性を疑ってください。
これから口座を選ぶのであれば、MT5を提供している会社を選んでおくほうが、後から移行し直す手間を避けられます。
会社ごとに中身が違う点にも注意
メタトレーダーは同じソフトでも、接続するFX会社によって扱える通貨ペア、スプレッド、注文の可否(両建てやスキャルピングの扱い)が異なります。「MT5対応」と書かれていても、取引条件は会社ごとに別物だと考えてください。スプレッドやスワップの水準は変動するため、具体的な数値は各社の公式サイトでご確認ください。
メタトレーダーを使うときにつまずきやすい点
MT4・MT5のどちらを選んでも、初めて触るときに引っかかりやすいポイントがあります。
デモ口座と本番口座を取り違える
メタトレーダーは1つのソフトで複数の口座にログインできます。デモのつもりで本番口座に発注してしまう事故は珍しくありません。画面上部の口座番号とサーバー名を確認する習慣をつけましょう。
ロット数の単位を勘違いする
メタトレーダーの発注画面では、数量を「ロット」で入力します。1ロットが何通貨にあたるかは会社によって異なります。数量の単位を確認しないまま発注すると、意図した何倍もの取引になることがあります。最初は最小の数量で1回発注し、口座残高への影響を確かめてください。
PCを閉じるとEAが止まる
EAはメタトレーダーが起動している間だけ動作します。パソコンをスリープや電源オフにすれば、当然EAも止まります。24時間稼働させたい場合はVPSを使う方法がありますが、月額の費用がかかります。
チャートに表示される時間が日本時間と違う
メタトレーダーのチャートは、FX会社のサーバー時間で表示されます。日本時間とずれるため、経済指標の発表時刻と照らし合わせるときに混乱しがちです。自分の使う会社のサーバー時間が日本時間と何時間ずれているかを、最初に確認しておきましょう。
インジケーターを入れすぎる
MT5では標準で使える指標が増えていますが、たくさん表示すれば判断しやすくなるわけではありません。表示が増えるほど、指標同士が違うことを示したときに動けなくなります。最初は2〜3種類に絞るほうが実用的です。

インストールから最初の1回の発注までの手順
どちらのバージョンでも、始めるまでの流れはほぼ共通です。
- 使いたいFX会社で口座を開設し、メタトレーダー用のIDとサーバー名を受け取る
- その会社が配布しているインストーラーをダウンロードする(公式サイトから取得する)
- インストール後、受け取ったIDとサーバー名でログインする
- 画面右下の接続状況が「回線が正常」になっているか確認する
- 気配値表示から通貨ペアを選び、チャートを1枚開く
- デモ口座で最小数量の発注をして、注文画面の見え方を確かめる
- 時間足の切り替えとインジケーターの追加を試す
- 本番口座に切り替え、口座番号を目で確認してから発注する
2番で重要なのは、インストーラーは必ず自分が口座を持つFX会社の公式サイトから取得するという点です。検索結果に出てくる配布サイトから入手すると、意図しないプログラムが混ざっている可能性があります。
どちらを選ぶかの判断基準
スペック表の数字を比べる前に、自分の状況で決まる部分があります。
使いたい会社が先に決まっているか
取引したい会社が決まっているなら、その会社が提供しているバージョンを使うのが自然です。ツールから選んで会社が絞られるのは、EAをどうしても使いたい場合に限られます。
すでに動いているEAがあるか
安定して稼働しているEAがあるなら、それが動く環境を維持するのが優先です。動くものを壊してまで新しいバージョンに移る理由は、通常ありません。
自分でコードを書くつもりがあるか
これから学ぶなら、開発が続いているMQL5を学ぶほうが情報も新しくなります。逆に既存のMQL4資産を読み解く必要があるなら、MQL4から入ることになります。
FX以外も扱いたいか
株式やCFDを同じ画面で扱いたいなら、対応の広いMT5が向きます。FXだけならこの点は判断材料になりません。
よくある質問(Q&A)
Q. MT4はいつサポートが終了しますか?
A. 記事執筆時点で、MT4はすでにMetaQuotes社のシステム保守の対象外となっており、新規のブローカー向けライセンスも提供されていません。そのためMT4を使えるかどうかは、実質的に「利用しているFX会社が提供を続けているか」で決まります。国内ではJFXが2026年8月19日で提供を終了し、OANDA証券も2026年11月27日の取引終了をもって提供を終了すると告知しています。ご自身が使っている会社の終了時期は、その会社のお知らせページで確認してください。
Q. MT5のデメリットは何ですか?
A. MT4用のEAやカスタムインジケーターが使えない点が最大のデメリットです。MT4の豊富なEA資産を活用できないため、自動売買メインの方にとってはこの点がネックになることがあります。
Q. MT4とMT5を同時にインストールできますか?
A. はい、同じPC上に両方をインストールして同時に使うことが可能です。それぞれ別のアプリケーションとして動作するため、干渉することはありません。
Q. 初心者はどちらの操作を先に覚えるべきですか?
A. これからFXを始める方はMT5から覚えるのがおすすめです。MT4の操作に慣れてしまうと、MT5の細かな違いに戸惑うことがあるため、最初から新しいプラットフォームを使う方が効率的です。
Q. MT4やMT5は無料で使えますか?
A. ソフト自体はFX会社を通じて無料で提供されているのが一般的です。ただし、有料で販売されているEAやインジケーターを購入する場合や、VPSを契約する場合には別途費用がかかります。提供条件は会社によって異なるため、公式サイトでご確認ください。
Q. スマホだけでMT4・MT5は使えますか?
A. スマホアプリ版があり、チャートの確認や発注はできます。ただしEAの稼働やカスタムインジケーターの導入はパソコン版が前提です。裁量トレードだけならスマホでも足りますが、自動売買を考えているならパソコンが必要になります。
Q. 海外のFX会社のMT5口座を使うのはどうですか?
A. 金融庁に登録のない海外業者については、金融庁が注意喚起を行っています。トラブルが起きた際に日本の法律による保護を受けられない可能性があるため、国内の金融商品取引業者として登録されている会社を選ぶことをおすすめします。登録の有無は金融庁のサイトで確認できます。
Q. MT4のEAをMT5で動かす方法はありませんか?
A. そのままでは動きません。MQL4のコードをMQL5に書き直す必要があります。変換を請け負うサービスもありますが、動作の検証は自分で行う必要があります。書き直した後は、必ず少額または検証環境で動作を確認してください。

まとめ:新規ならMT5、既存ユーザーは慌てず移行
スペック面ではMT5が全面的に上回っています。これからFXを始める方や新しくメタトレーダーを使い始める方は、迷わずMT5を選んで問題ありません。
すでにMT4でEAを運用している方も、稼働中のものを今すぐ止める必要はありませんが、移行の準備は早めに始めておくべき状況です。MT4は開発元の保守対象から外れており、国内でも提供終了を発表する会社が続いています。使っている会社からの案内を待つのではなく、MT5に対応した口座の候補と、EAをMQL5へ書き直す手段を先に調べておくと、終了の告知が出たときに慌てずに動けます。
MT4の情報はMetaTrader 4公式サイト、MT5はMetaTrader 5公式サイトで確認できます。EAやインジケーターはMQL5コミュニティで入手可能です。


