ループイフダンを始めようとすると、最初につまずくのが「どの通貨ペアを選ぶか」と「どの値幅設定にするか」ではないでしょうか。アイネット証券のループイフダンは設定項目が絞られていて操作自体はシンプルですが、その分ひとつひとつの選択が運用結果に直結します。
この記事では、ループイフダンの設定画面で何を決めることになるのかを整理したうえで、通貨ペアを選ぶときに見るべき観点と、値幅・数量・資金の関係を解説します。特定の通貨ペアを推奨するものではなく、自分で判断できるようになるための整理としてお読みください。

ループイフダンの仕組みをおさらいする
ループイフダンは、アイネット証券が提供しているリピート系の自動売買機能です。あらかじめ決めた値幅だけレートが動いたら自動で売買を繰り返す仕組みで、「安く買って高く売る」という動作を機械的に続けていきます。
アイネット証券の公式説明によると、ループイフダンは通貨ペアの特性にあわせてシステムがあらかじめ用意されており、その中から選ぶだけで始められる設計になっています。裁量取引で使える通貨ペアは24種類、ループイフダンの対象となるのは21種類の通貨ペアです。高金利通貨として知られる南アフリカランド/円、トルコリラ/円、メキシコペソ/円も対象に含まれています。
設定は大きく3ステップ
公式サイトでは、設定の流れが次の3ステップとして案内されています。
| ステップ | 決めること |
|---|---|
| 1 | どのループイフダン(通貨ペアと売買タイプ・値幅の組み合わせ)を使うか選ぶ |
| 2 | 1回あたりの取引数量を決める |
| 3 | 最大ポジション数(同時に持てるポジションの上限)を決める |
ブラウザ版の取引ツールでは、ループイフダンの注文ボタンから別ウィンドウが開き、売買システム・損切り設定・取引数量を選ぶ画面が表示されます。通貨ペアにチェックを入れて絞り込むこともできる仕様です。
「B15」「S25」といった表記の読み方
ループイフダンの設定名には、B15・B20・B25・B50 といった記号が使われます。この読み方を理解しておくと、選択画面がぐっとわかりやすくなります。
・先頭のBは買い(Buy)タイプ、Sは売り(Sell)タイプ
・続く数字は値幅を表す
・つまり「B25」なら、買いで仕掛けて25の値幅ごとに新規と決済を繰り返す設定という意味になります
買いタイプは上昇局面で利益が積み上がりやすく、売りタイプは下落局面で機能します。相場の方向に対して逆の設定を選ぶと、決済が進まないままポジションだけが増えていくことになるため、どちらのタイプを選ぶかは通貨ペア選び以上に重要な判断です。

値幅が狭い設定と広い設定、それぞれの性格
同じ通貨ペアでも、値幅の数字が変われば運用の性格が大きく変わります。
| 項目 | 値幅が狭い設定 | 値幅が広い設定 |
|---|---|---|
| 決済の頻度 | 多くなりやすい | 少なくなりやすい |
| 1回あたりの利益 | 小さい | 大きい |
| 同じ値動きで増えるポジション数 | 多い | 少ない |
| 必要になりやすい資金 | 多め | 少なめ |
| 小さな往復への反応 | 反応しやすい | 取りこぼしやすい |
「値幅が狭いほうが有利」と思われがちですが、狭い設定は同じ下落幅でも抱えるポジションが増えるため、必要な資金は狭い設定のほうが大きくなります。少額から始めたい場合は、むしろ値幅の広い設定のほうが現実的というケースもあります。
値幅ごとの必要資金の差を確かめるときは、電卓で自分の資金に当てはめて計算してみると比べやすくなります。
通貨ペアを選ぶときに見る4つの観点
1. 過去の値動きの幅
アイネット証券は公式サイトで、通貨ペアごとのレート変動幅を確認できる表を用意しています。10年・5年・3年といった期間別に、その通貨ペアがどれくらい動いてきたかを確認できる作りです。運用に必要な資金はこの変動幅から逆算するため、通貨ペア選びの出発点になります。
2. スワップポイントの方向
買いで保有したときにスワップポイントを受け取れるのか、支払うことになるのかは、長く持つ前提のリピート系運用では無視できません。特に売りタイプでポジションを長期保有する場合、マイナススワップが積み上がる可能性があります。スワップポイントは日々変動するため、直近の水準は公式サイトでご確認ください。
3. 情報の追いやすさ
米ドル/円やユーロ/円のようなメジャーな通貨ペアは、経済指標や金融政策のニュースが日本語で豊富に入ってきます。相場観を持ちやすいという意味で、運用を続けやすい面があります。
経済指標や金融政策のニュースを読み解く土台を作りたい方は、為替の基礎を扱った本を1冊読んでおくと理解しやすくなります。
4. 高金利通貨特有のリスク
南アフリカランド/円やトルコリラ/円のような高金利通貨は、受け取れるスワップポイントに注目が集まりがちです。しかし、長期的に価値が下がり続けた場合、スワップポイントで得た分を為替差損が上回る可能性があります。政策金利や政情の影響も受けやすいため、値動きの想定は特に慎重に置く必要があります。
スワップポイントは受取・支払ともに変動し、状況によっては受取から支払に転じることもあります。高金利通貨だから有利、という単純な判断は避けてください。FX取引には為替変動による損失のリスクがあり、結果には個人差があります。

必要な資金は「目安資金表」で確認する
アイネット証券は、ループイフダンの目安資金表を公式サイトで公開しています。ここには通貨ペアごと・設定ごとに、取引証拠金・損失合計額・目安必要資金が掲載されています。
公式の説明によれば、この金額は1ロットで取引した際の金額であり、実際の損失はスリッページによって異なる場合があるとされています。つまり表の数字はあくまで目安であり、余裕を持った資金計画が前提になります。
確認の流れとしては、まずレート変動幅確認表で対象通貨ペアの想定される変動幅を把握し、そのうえで目安資金表で必要資金を確認する、という順番が案内されています。詳細はアイネット証券の目安資金表のページでご確認ください。
また、公式には資金シミュレーションのツールも用意されています。「いくら必要なのか」「どんな設定ができるのか」を試せる作りになっているので、口座開設前の検討段階でも運用イメージを掴みやすくなっています。
デモ口座で操作を試してから始める
アイネット証券は無料のデモ口座を提供しており、仮想資金で取引を体験できます。実際の資金を入れる前に、注文画面の操作やポジションの増え方を確認しておくと、本番で戸惑うことが減ります。
特にループイフダンは、設定した後にどのタイミングで新しいポジションが入るのかを体感で理解しておくと、含み損が増える局面でも落ち着いて判断しやすくなります。
コストの考え方
ループイフダンは口座開設・取引ともに手数料が無料と案内されています。ただし、スプレッドには投資助言報酬が含まれる仕組みになっており、この点は他社のリピート系サービスと条件の比べ方が変わってきます。
最小取引単位は1,000通貨からとなっており、少額から試しやすい設計です。ただし、リピート系はポジションを積み重ねる前提なので、1,000通貨で始められることと1,000通貨で安全に運用できることは別の話だと考えておいてください。
設定を決めるときの現実的な順番
1. 運用に回せる資金の上限を決める
2. 通貨ペアを1つに絞る
3. レート変動幅確認表で過去の変動幅を確認する
4. その変動幅に耐えられる設定を目安資金表から探す
5. 最大ポジション数を設定して、想定外の積み増しを止める
最大ポジション数の設定を忘れない
ループイフダンの設定で見落とされやすいのが、最大ポジション数です。ここを設定しておかないと、レートが一方向に動き続けたときにポジションが増え続け、想定していた資金の範囲を超えてしまう可能性があります。
資金に対して何本まで持てるのかを目安資金表から逆算し、その本数で上限をかけておく。これだけで、想定外の事態が起きたときの被害の広がり方が変わります。上限を決めることは、利益を捨てることではなくリスクを管理することだと考えてください。
よくある質問
Q. 初心者はどの値幅設定から始めるべきですか?
一律に「この設定がよい」と言える基準はありません。判断の軸になるのは資金量です。同じ通貨ペアでも、値幅が狭い設定ほど必要資金は大きくなるため、まずは目安資金表で自分の資金で無理なく運用できる設定を絞り込み、その中から選ぶ流れが現実的です。
Q. 複数の通貨ペアを同時に動かしてもいいですか?
可能ですが、資金は共有されます。複数動かすと分散になる一方で、値動きが連動する通貨ペア同士だと同時に含み損が膨らむことがあります。分散のつもりが同じ方向に賭けているだけ、という状態にならないよう、相関の強さは意識しておきたいところです。
Q. 損切り設定は入れたほうがいいですか?
注文画面には損切り設定の項目があります。損切りを入れれば1回あたりの損失は限定されますが、リピート系は下がったところで買い増して戻りで利益を出す性格があるため、損切りを入れると仕組みの特性を活かしにくくなる面もあります。どちらが正しいということはなく、資金の余裕と、どこまで含み損に耐えるかの方針で決める部分です。
Q. 相場の方向が変わったら設定も変えるべきですか?
買いタイプで運用していて明確に下落基調に変わった場合、そのまま放置するとポジションが積み上がります。稼働を止めるか、資金を追加して耐えるか、一部を決済するか。この判断基準を運用前に決めておくことをおすすめします。相場が動いている最中に考えると、判断がぶれやすくなります。
決めた判断基準や設定内容はノートに書き出しておくと、相場が動いたときにすぐ見返せます。
Q. どれくらいの利回りが期待できますか?
利回りは相場環境と設定によって大きく変わるため、事前に断定できるものではありません。公式の資金シミュレーションで自分の条件を入力し、どういう前提のときにどうなるのかを確認するのが確かな方法です。過去の実績があったとしても、将来の運用成果を保証するものではありません。
Q. 他社のリピート系とどちらがいいですか?
マネースクエアのトラリピ、インヴァスト証券のトライオートFXなど、リピート系の自動売買は複数の会社が提供しています。設定の自由度、コストの構造、対応通貨ペアがそれぞれ異なるため、優劣というより自分がどこまで細かく設定したいかで選ぶ形になります。ループイフダンは選択肢が絞られている分、設定に迷いにくいのが特徴です。
Q. 対円通貨ペアと外貨同士の通貨ペア、どちらが扱いやすいですか?
ループイフダンでは、米ドル/円のような対円通貨ペアと、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルのような外貨同士の通貨ペアの両方が選べます。対円通貨ペアは損益の計算が直感的で、日本のニュースからも情報を得やすいという扱いやすさがあります。一方、外貨同士の通貨ペアは損益がその外貨建てで発生するため、円換算のレートによって最終的な損益が変わる点を理解しておく必要があります。慣れないうちは対円通貨ペアのほうが状況を把握しやすいでしょう。
Q. 稼働を止めたら、持っているポジションはどうなりますか?
ループイフダンの稼働を停止しても、それまでに保有しているポジションが自動で決済されるわけではありません。新規の注文が入らなくなるだけで、既存のポジションはそのまま残ります。稼働停止とポジションの決済は別の操作になるため、どちらを行いたいのかを取引ツール上でしっかり区別して操作してください。手順に不安がある場合は、事前にデモ口座で一度試しておくと安心です。
Q. 運用中はどのくらいの頻度で確認すればいいですか?
注文の執行は自動なので毎日張り付く必要はありませんが、完全に放置してよい仕組みでもありません。少なくとも、証拠金維持率とポジション数は定期的に確認しておきたいところです。加えて、政策金利の発表など相場が大きく動きやすいイベントの前後は、想定を超える値動きが起きる可能性があります。こうしたタイミングだけは状況を見られるようにしておくと、対応が後手に回りにくくなります。
まとめ
ループイフダンの設定は、通貨ペア・売買タイプ・値幅・数量・最大ポジション数という限られた項目で構成されています。項目が少ないぶん、ひとつずつの意味を理解しておけば、自分で判断できるようになります。
通貨ペア選びでは、過去の変動幅・スワップポイントの方向・情報の追いやすさ・高金利通貨特有のリスクという4つの観点を押さえてください。そして、設定を決める前にレート変動幅確認表と目安資金表で必要資金を確認することが、無理のない運用への近道です。
FX取引には損失が生じる可能性があります。金融商品取引業者の登録状況や取引の仕組みについては、金融庁の公式サイトでも情報が公開されているので、あわせて確認しておくと安心です。




