MT4(MetaTrader 4)は、世界中のFXトレーダーが愛用している取引プラットフォームです。チャート分析から自動売買まで、FXに必要な機能がすべて詰まった定番ツールとして知られています。
「ちょっと複雑そう」と感じる方もいるかもしれませんが、基本操作さえ覚えてしまえば直感的に扱えるようになります。
この記事では、MT4のダウンロードからチャート設定、注文方法、EA(自動売買)の導入まで、初めて触る方が最初に押さえておきたい操作を順番に解説します。
開発元のMetaQuotes社がMT4を保守の対象から外したことを受け、国内のFX会社ではMT4の提供終了が相次いでいます。JFXは提供を終了済み、OANDA証券も新規注文の停止と提供終了の日程を公表しており、各社はMT5への移行を案内しています。この記事の操作解説は、すでにMT4を使っている方の日々の操作と、MT5へ移行する際の予備知識としてお読みください。これからプラットフォームを選ぶ方は、MT5を前提に検討することをおすすめします。提供状況は会社ごとに異なるため、最新の案内は各社の公式サイトでご確認ください。
MT4とは
MT4はMetaQuotes社が開発した無料のFX取引プラットフォームです。主な特徴をまとめると以下の通りです。
- 無料で使える:対応FX会社で口座開設すれば無料
- 高機能チャート:移動平均線・MACD・RSI・ボリンジャーバンドなど30種類のテクニカル指標を標準搭載。加えてトレンドラインやチャネル、フィボナッチ、ギャンツールといった描画用のオブジェクトも一通り用意されているため、追加のインストールなしで基本的な分析はひと通りこなせます(テクニカル分析の基本を押さえておくと活用しやすい)
- EA(自動売買)対応:プログラムによる自動売買が可能
- カスタムインジケーター:自作やダウンロードで機能拡張可能
- 世界標準:世界中のトレーダーが使っているため情報が豊富

MT4のダウンロードと導入手順
ステップ1:MT4対応のFX会社で口座開設
まずMT4に対応したFX会社で口座を開設します。ただし前述のとおり、MT4は国内で提供終了が進んでいる段階です。口座開設の前に、その会社がMT4の提供を続けているか、終了の予定を公表していないかを必ず確認してください。
- FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン):国内でMT4を提供してきた会社の一つ。提供状況は公式サイトの案内をご確認ください
- OANDA証券:MT4とMT5の両方を提供してきましたが、MT4については新規注文の停止日と提供終了日を公表済み。MT5への移行を案内しています
- 楽天証券(楽天MT4):大手ネット証券のMT4対応口座。こちらも提供状況は公式サイトでご確認ください
なお、JFXはMT4の提供をすでに終了し、MT5へ移行しています。これから口座を開くなら、MT4ではなくMT5に対応した口座を選んでおくほうが、後から移行し直す手間を避けられます。
ステップ2:MT4をダウンロード・インストール
口座開設後、FX会社の公式サイトからMT4をダウンロードします。インストールは指示に従うだけで数分で完了します。
ステップ3:ログイン
口座開設時に届いたログインID、パスワード、サーバー名を入力してログインします。ここで間違いやすいのがサーバー名です。デモ口座とリアル口座でサーバーが異なることがあるため注意してください。
MT4の基本画面の見方
| エリア | 機能 |
|---|---|
| メニューバー | ファイル・表示・挿入などの基本メニュー |
| ツールバー | よく使う機能のショートカットボタン |
| 気配値表示 | 通貨ペアの現在レートをリアルタイム表示 |
| ナビゲーター | 口座・インジケーター・EAの管理 |
| チャートウィンドウ | メインのチャート表示エリア |
| ターミナル | 取引履歴・残高・ポジション情報 |

チャートの基本設定
チャートを開く
気配値表示ウィンドウで通貨ペアを右クリックし、「チャート表示」を選択します。これでチャートが表示されます。
時間足の変更
ツールバーの「M1」「M5」「M15」「M30」「H1」「H4」「D1」「W1」「MN」ボタンで時間足を切り替えます。Mは分足、Hは時間足、Dは日足、Wは週足、MNは月足を表しています。
インジケーターの追加
- ナビゲーターウィンドウの「インディケータ」を展開
- 使いたいインジケーターをチャートにドラッグ&ドロップ
- パラメータを設定して「OK」をクリック
まずは移動平均線(Moving Average)を3本(20、50、200期間)表示するところから始めてみてください。トレンドの方向性を把握する基本中の基本です。
チャートの見た目をカスタマイズ
チャート上で右クリックし、「プロパティ」から背景色やローソク足の色を変更できます。背景を黒、陽線を緑、陰線を赤にすると、目に優しくトレンドが見やすい配色になります。
注文方法
成行注文(今すぐ売買)
- ツールバーの「新規注文」ボタンをクリック
- 通貨ペアと取引量(ロット)を設定
- 「成行売り」か「成行買い」をクリック
指値・逆指値注文(予約注文)
- 「新規注文」画面で注文種別を「指値注文」に変更
- 注文タイプを選択
- 価格を入力して「発注」
| 注文タイプ | 意味 |
|---|---|
| Buy Limit | 現在より安い価格で買い指値 |
| Sell Limit | 現在より高い価格で売り指値 |
| Buy Stop | 現在より高い価格で買い逆指値 |
| Sell Stop | 現在より安い価格で売り逆指値 |
Buy LimitとBuy Stopの違いは初心者がつまずきやすいポイントです。Limitは「今より有利な価格で約定させたい」とき、Stopは「ブレイクアウトを狙って不利な方向に注文を入れたい」ときに使います。
注文画面の各項目が何を意味するか
新規注文の画面には複数の入力欄があり、初めて見ると何を埋めればよいのか迷います。それぞれの意味を押さえておきましょう。
| 項目 | 意味と入力の目安 |
|---|---|
| 通貨ペア | 取引する組み合わせ。気配値から選んだものが自動で入ります |
| ロット | 取引量。1ロットが何通貨にあたるかは会社によって異なるため、事前に確認します |
| 決済逆指値(S/L) | 損切りの価格。この価格に届くと自動で決済されます |
| 決済指値(T/P) | 利益確定の価格。この価格に届くと自動で決済されます |
| コメント | 自分用のメモ欄。手法名を入れておくと履歴の振り返りに役立ちます |
| 許容スリッページ | 注文時の価格のズレをどこまで許すかの設定 |
ロットの単位は会社ごとに違うため、ここを勘違いしたまま発注すると、想定の何倍もの取引量になってしまうことがあります。最初の1回はデモ口座で、思っていた金額どおりの取引になっているかを必ず確かめてください。
決済方法
ターミナルの「取引」タブでオープンポジションを確認し、決済したいポジションの「×」ボタンをクリックするか、右クリックから「決済注文」を選択して決済します。

EA(自動売買)の導入方法
MT4の真骨頂ともいえるのが、EA(Expert Advisor)による自動売買です。導入手順は以下の通りです。
- EAファイル(.ex4)を入手
- MT4の「ファイル」→「データフォルダを開く」
- 「MQL4」→「Experts」フォルダにEAファイルをコピー
- MT4を再起動
- ナビゲーターの「エキスパートアドバイザ」にEAが表示される
- チャートにドラッグ&ドロップで設定
- ツールバーの「自動売買」ボタンをONにする
無料EAの選び方と詐欺を見抜くポイントはFX無料EAのおすすめと選び方!詐欺を見抜くポイントもで詳しく解説しています。
EA稼働前にバックテスト(過去データでのシミュレーション)を必ず行いましょう。「ストラテジーテスター」機能で簡単にテストできます。バックテストなしでいきなりリアル口座で稼働させるのは非常にリスクが高い行為です。
ストラテジーテスターでバックテストを行う手順
EAを稼働させる前に、過去のデータでどう動くかを確認しておきます。MT4に標準搭載されている「ストラテジーテスター」で行えます。
- メニューの「表示」から「ストラテジーテスター」を開く
- 「エキスパートアドバイザ」を選び、テストしたいEAを指定する
- 通貨ペアと時間足、テストする期間を設定する
- 「モデル」でティックデータの精度を選ぶ(精度が高いほど時間がかかります)
- 初期証拠金の額を入力する
- 「スタート」をクリックし、終了後に「グラフ」「レポート」タブを確認する
結果を見るときは、最終的な損益だけでなく、資産の推移がどれだけ落ち込んだ場面があるかにも目を向けてください。途中で大きく資産が減る局面があるEAは、実際の運用ではその時点で耐えられずに止めてしまう可能性が高いからです。
また、バックテストの結果はあくまで過去の相場での記録であり、将来の成果を示すものではありません。テストで良好な数値が出ていても、損失が生じる可能性は常に残ります。
MT4でつまずきやすいポイントと対処法
「無効な口座」と表示されてログインできない
ログインID・パスワード・サーバー名のいずれかが違っている場合に出ます。特に見落としやすいのがサーバー名で、同じ会社でも複数のサーバーが用意されていることがあります。口座開設時の案内メールに記載されたサーバー名を、選択肢の中から正確に選び直してください。
チャートに新しいローソク足が増えていかない
画面右下の接続状況の表示を確認します。「回線不通」と出ていれば通信が切れています。土日は市場が閉まっているため更新されないのが正常です。平日でも更新されない場合は、いったんログインし直すか、別のサーバーを試します。
EAを入れたのに自動売買が動かない
チャート右上のマークが笑顔になっているかを確認します。しかめ面の状態は自動売買が動いていない合図です。ツールバーの「自動売買」ボタンがオンになっているか、EAのプロパティで自動売買を許可する設定にしているかをそれぞれ見直してください。
インジケーターを入れたが表示されない
データフォルダの中の正しい場所にファイルを置けていない可能性があります。インジケーターは「MQL4」→「Indicators」、EAは「MQL4」→「Experts」と入れる場所が分かれています。ファイルを置いたあとはMT4の再起動が必要です。
チャートの表示期間をさかのぼれない
過去のデータが端末に取り込まれていないことが原因です。メニューの「ツール」から「ヒストリーセンター」を開き、対象の通貨ペアと時間足のデータをダウンロードすると表示できるようになります。
MT4の操作に慣れた人がMT5へ移る際の変化
提供終了に伴ってMT5へ移る方が増えています。基本的な考え方は共通していますが、いくつか変わる点があります。
- EAとインジケーターは作り直しが必要:MT4用のファイルはMT5では動きません。移行先で使えるものを用意します
- 時間足の種類が増える:MT4より細かい時間足を選べるようになります
- フォルダ名が変わる:「MQL4」に相当するフォルダが「MQL5」になります
- 板情報など機能が追加されている:使わなくても支障はありませんが、画面の項目が増えます
- 保存したチャート設定は引き継がれない:テンプレートは移行先で作り直すことになります
操作そのものは近いので、MT4で身につけた手順の多くはそのまま活かせます。移行の前に、いま使っているチャート設定をスクリーンショットで残しておくと、作り直しがスムーズです。

MT4を使いこなすためのTips
- テンプレート機能を活用:お気に入りのチャート設定をテンプレートとして保存しておくと、他の通貨ペアにも一発で適用できる
- ショートカットキーを覚える:F9で新規注文、Ctrl+Yで期間区切り線表示など
- 定型チャートを活用:よく使うインジケーターの組み合わせを保存
- カスタムインジケーターを導入:MQL5コミュニティから無料のインジケーターをダウンロード可能
MT4導入後に最初にやるべき5つのこと
- デモ口座でログインして操作に慣れる
- ドル円のチャートを開いて移動平均線を3本表示する
- 成行注文で1回取引してみる(デモ口座で)
- 時間足を切り替えてチャートの見え方の違いを確認する
- チャートの配色を自分好みにカスタマイズする

よくある質問(Q&A)
Q. MT4はスマホでも使えますか?
A. はい、iOS・Android両方のアプリが用意されています。PC版ほどの機能はありませんが、外出先でのチャート確認やポジション管理には十分です。
Q. MT4とMT5はどちらを使うべきですか?
A. これから始める方はMT5です。MT4は国内での提供終了が進んでいるため、いま覚えても使い続けられる期間が限られます。詳しい比較はMT5とMT4の違いを比較!どちらを使うべきか徹底解説で解説しています。MT4用のEAはMT5にそのまま移せないため、EAを使っている方は移行先で動くものを用意する必要があります。
Q. MT4は完全無料ですか?
A. MT4本体は完全無料です。対応FX会社で口座を開設すればダウンロード・利用ともに費用はかかりません。ただし、有料のEAやカスタムインジケーターを購入する場合はその費用が別途かかります。
Q. MT4が動作しないときはどうすればいいですか?
A. まずサーバー名とログイン情報が正しいか確認してください。接続が不安定な場合は、別のサーバーを試すか、FX会社のサポートに問い合わせるのが確実です。
Q. MT4の提供が終了したら、持っているポジションはどうなりますか?
A. 会社によって取り扱いが異なります。終了日までに決済を求められる場合もあれば、別のプラットフォームへ移管される場合もあります。終了を発表している会社は、対象の口座向けに個別の案内を出しているのが一般的です。日程が近づいてから慌てないよう、案内メールや公式サイトのお知らせを早めに確認してください。
Q. 今からMT4の操作を覚える意味はありますか?
A. すでにMT4を使っている口座があるなら、終了までの期間は日々の操作として必要です。また、MT4とMT5は画面の構成や用語がよく似ているため、ここで覚えた操作の多くはMT5でもそのまま通用します。まったくの無駄になるわけではありませんが、これから環境を整える段階の方はMT5から始めるほうが遠回りになりません。
Q. MT4で使っていたインジケーターの設定を控えておく方法は?
A. チャートを右クリックして「定型チャート」から保存すると、インジケーターの組み合わせがファイルとして残ります。ただしこのファイルはMT5では読み込めないため、移行に備えるなら、各インジケーターの名前とパラメータの数値を書き出しておくか、設定画面のスクリーンショットを撮っておくのが確実です。
まとめ:MT4は無料で使える多機能ツール
MT4は無料でありながら、チャート分析から自動売買まで幅広くカバーできる定番のFXプラットフォームです。機能は非常に多いですが、基本操作から順に触っていけば少しずつ扱えるようになります。
まずはチャート表示とインジケーター設定から始めて、徐々に注文方法やEA導入と幅を広げていくのがスムーズな学習の流れです。
MT4の詳細な情報はMetaTrader 4公式サイトで確認できます。EAやインジケーターはMQL5コミュニティで無料ダウンロードが可能です。


